プレスリリース駆動開発で起こった3つの変化

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プレスリリース駆動開発で起こった3つの変化
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ストックマークではプロダクト開発の方法として、プレスリリース駆動開発を採用しています。このアプローチは Amazon で Working Backwards と呼ばれる方法に類似した方法です。本記事では、実際にプレスリリース駆動開発を実施すると何が起こるのか?という点について紹介します。今後、プロダクト開発においてプレスリリース駆動開発を採用してみようかな?という方には、有益な情報になると思います。

先に実物を紹介

本記事でベースとしているプレスリリースは Astrategy というプロダクトの新機能になります。

実際のプレスリリース

詳細は実物をご覧いただければと思いますが、内容草案はまさにプロダクトのPRD(Product Requirements Document)や、実装が進む前からプロダクトオーナーが書いていたものです。

では、詳細検討が進む前にプレスリリース案を作成すると、社内では何が起こるのでしょうか?

プレスリリース駆動開発を起因とした3つの変化

社内で起きた変化のうち、ここでは3つを取り上げます。

  1. 顧客のアトラクト強化
  2. プロダクトオーナー自身の気づきによる新機能の洗練化
  3. より効果的な画像が作成できるように

以下でそれぞれを説明していきます。

1. 顧客のアトラクト強化

ビジネスサイドからすると、プレスリリースの内容を先に見ておくと、具体的に機能のイメージをつかみやすくなります。もちろん、ロードマップの内容から、この先に出てくる機能を理解することも可能ですが、プレスリリースは顧客向けの表現になっていることから、より解像度高く自社プロダクトを理解できるようになります。

その結果、顧客とのタッチポイントがあった際に、「この課題を解決するために、こういう機能を作っているんです。こんなイメージです。…」と具体的に説明できるようになります。顧客へより魅力的な説明が可能となるわけです。

2. プロダクトオーナー自身の気づきによる新機能の洗練化

プロダクトに新機能を追加する場合、当然のことながら具体的な顧客を意識して、何らかの課題を解決しにいきます。ただ、プロダクトオーナーは顧客インタビューや指標確認など様々な業務を並行していることが多く、頭の中のメモリをフルに活用していることが多く、ふとした瞬間に検討の抜け漏れが発生することがあります。

プレスリリースはこの抜け漏れを気づかせてくれる強力な武器になります。プレスリリース執筆時は、「顧客は誰か?どんな具体的なペインを抱えているのか?コアな価値は何か?」と、ある機能に集中することになります。さらに論理的な文章に起こす必要があるため、これまで考えていた内容の穴に気づきやすくなるのです。

結果的に、より機能を洗練してから作れるようになります。ソフトウェアテストにおけるShift Leftと同じように、できるだけ早い段階で仮説を洗練化できれば、的はずれな開発をする可能性を低くできます。

3. より効果的な画像が作成できるように

プレスリリースはURLでシェアされることが多いため、文章だけでなくOGP向けに画像が作られるのが普通です。ストックマークのプレスリリース向け画像作成は、社内のデザイナーが通常実施しているのですが、新機能や改善を打ち出すペースが速いことから、スケジュールがタイトになりがちです。

しかし、プレスリリースを事前に作成していると、初期段階からデザイナーも開発工程に参画しやすくなります。機能の理解が高まり、かつスケジュールにゆとりも生まれるので、顧客にとってより効果的な画像を作成できるようになるのです。

まとめ

本記事では、ストックマークで採用しているプレスリリース駆動開発で起きた社内の3つの変化を紹介しました。「実際にどういうスケジュールで?どういうプロセスで進んでいるの?」などさらに詳細を知りたい方は、是非カジュアルにお話しましょう!